身長を伸ばす整形手術「イリザロフ法」気になる費用やリスク

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成長期を終えると絶対に身長を伸ばすことはできないのでしょうか?

実は、骨の整形手術と呼ばれている、外科手術によって身長を伸ばす方法も存在します。

身長を伸ばす手術にはイリザロフ法とISKD法という2種類の方法がありますが、今回はイリザロフ法に焦点を当てて説明します。

イリザロフ法ってどんなもの?

背が低いことをコンプレックスに感じて、身長を伸ばす方法を調べる人は決して少なくありません。インターネットなどで調べてみると、大人になってからも背を伸ばすことができる方法や、そのためのサプリメントなどもたくさん出てきます。

しかし、基本的にはこれらのものはほとんど効果がないものと考えてください。

生まれつき人間の骨には骨の端に骨端線という乳白色の軟骨があります。成長期になり体内に成長ホルモンが分泌されると、骨端線は成長ホルモンによって刺激を受け、ゆっくりと伸びていきます。

成長期が終わりを迎えると、骨端線は白く固くなり、他の骨と見分けがつかなくなります。固くなった骨端線はそれ以上伸びることはないので、こうなってしまうともう身長が伸びることはありません。

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成長期の間に十分に成長ホルモンが分泌されれば、骨端線は綺麗に伸び切ります。のびきってしまうとそれ以上量が増えることもないので、成長期が終わっていなくても身長の伸びは止まります。そもそも骨端線の量には個人差があるので、骨端線が伸びきっている人を見比べても身長の高さには違いがあります。

しかし、中には骨端線がしっかり伸びていないのに成長期が終わってしまうこともあります。思春期が早くに訪れた場合や、栄養状態が悪く、骨端線にしっかり栄養がいかずに伸びることができなかった場合、または成長ホルモンの分泌に異常があったりして骨端線が上手に刺激されなかった場合です。この場合でもやはり骨端線は固まってしまうことに変わりはないので、身長はそれ以上伸びません。

 
イリザロフ法は、1951年にイリザロフ医師によって発見された手術法です。事故や怪我によって骨を一部失ってしまうと、両足の長さが変わってしまったり、悪性腫瘍などで骨を一部切除した場合にも同様のことが起きます。また、先天性の小人症といって、病気によって身長が伸びない人などの骨を再生して身長を伸ばすことができるのがイリザロフ法です。

人工的に一部の骨を切除し、大掛かりな固定具をつけて1日に1ミリぐらいというわずかなペースで骨の隙間を空けていきます。骨には自然治癒力があるので、隙間が空くと骨は自分で隙間を埋めようと働きます。その力を利用して骨を再生させ、結果的に身長を伸ばすのがイリザロフ法です。

しかし、骨はどこまでも伸びるというものではなく、下腿であれば5cm程度、上腿であれば4cm程度伸ばすのが限界です。

痛みを伴う治療

イリザロフ法は、かなりの痛みを伴う手術です。もちろん手術中は麻酔が効いていますが、骨が再生するには手術後にも強い痛みを感じます。

ネットでは実際にイリザロフ法を受けた人の体験記などを読むことができますが、それによるとその痛みはモルヒネを使っても解消できないほどの痛みということでした。中には、あまりの痛みに治療を断念する人もいるようです。

イリザロフ法が痛みを伴う原因は複数あります。まず一つ目は、骨を切ることそのものの痛みです。これは、たとえれば骨折と同様です。骨を切ったあとには、大掛かりな装具を設置して固定することになりますが、装具を固定するためには骨に穴をあけなければいけません。これにも強い痛みを伴います。

 
また、痛むのは骨だけではありません。確かにイリザロフ法を受ければ骨は伸びるのですが、これは成長に伴う伸びではないので、筋肉や神経など、骨の周りは自然と伸びていくわけではありません。骨が伸びていこうとするのに対して神経や筋肉が引っ張られることで、骨の周りの肉の部分にも痛みが発生します。

イリザロフ法の費用は?

イリザロフ法は、病気や怪我の治療として使われる手術なので、この場合にはもちろん保険が適用されます。しかし、身長が低いのが嫌だから、という理由は病気には該当しません。

そのため、手術はすべて実費で受けることになります。麻酔や入院、薬など、使用するものもたくさんあるので、700万円から900万円ほどかかってしまいます。

イリザロフ法のリスクは?

治療を断念するほどの痛み、高額な費用と聞くだけでも十分負担が大きいですが、イリザロフ法のリスクはそれだけではありません。装具を固定するときにはいくつものピンを使ったり、骨が伸びるときに筋肉や神経にも負担がかかることから、感染症が起こる可能性が非常に高いのが特徴です。

25%以上の確率で感染症になる、といわれていますが、小さな炎症も含めると、中には80%以上の確率で感染症が起こると危険性を伝える人もいます。

イリザロフ法を受けると、身長自体には外見的に手術を受けた違和感はありません。しかし、装具を固定する際には多くのピンを使用するため、傷跡が残る可能性は少なくありません。

ピン自体をなるべく目立たないように止めたとしても、感染症をおこしたり炎症を起こしたりすれば傷が大きくなる可能性があるため、手術前にはどの程度の傷が残るのか確実に把握することはできません。

また、運動能力に関しては、ほとんどの場合で手術前の80%ほどの能力に低下してしまうことがわかっています。ただし、リハビリを続けたりすることで運動能力は回復するため、術後3年ほどが経過すると運動能力は元に戻ることも多いようです。

イリザロフ法は症例も少なく、技術的にも難しい手術方法です。感染症を防ぐためには術後のケアなども欠かせないため、技術に長けた医師に任せられるかどうかによってリスクの高さが大きく変わってしまいます。

イリザロフ法は日本でも受けられるの?

イリザロフ法という手術は、日本でも受けることはできます。しかし、日本では取り扱っている病院はとても少なく、中でも病気や事故の治療ではなく身長を伸ばしたいというための手術をしてくれる病院は限られます。イリザロフ法自体は、日本以外に世界各国で定着している手術法ではあります。

他人にしてみればそんなに気にすることないのに、と思うようなことでも、コンプレックスに感じている本人にとっては大きなことです。身長が低いことで私生活に前向きになれなかったり、自分自身に自信が持てないこともあるかもしれません。しかし、手術で身長を伸ばすには、大きなリスクと苦労を伴います

女性の場合には、特に傷跡が残ってしまっては着られる服にも制限が出てしまいます。せっかく手術をして身長を伸ばしても、今度は足の傷がコンプレックスになってしまっては元も子もありません。

身長を伸ばしたい、という気持ちはよくわかりますが、外科手術を検討する際にはしっかりとリスクのことも考えてからにしましょう。手術を受けなくても、洋服のコーディネートによって見た目には身長が少し高く見えたり、ハイヒールやシークレットシューズを履くことで実際に高さを出すこともできます。大切なのは外見的なことだけではなく、内面に磨きをかけて自分自信を強くしていくことかもしれません。

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費用もかかる大掛かりな手術だからこそ、手術後にこんなはずじゃなかった、と思ってしまうことがないように、しっかりお医者さんと話をしたり、下調べをするようにしてください。

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まとめ

  • イリザロフ法は、1951年にイリザロフ医師によって発見された手術法。事故や怪我、病気によって身長が伸びない人などの骨を再生して身長を伸ばすことができるのがイリザロフ法。
  • かなりの痛みを伴う手術で、あまりの痛みに治療を断念する人もいる。
  • 手術はすべて実費。700万円~900万円ほどかかる。
  • 装具を固定するときにはいくつものピンを使ったり、骨が伸びるときに筋肉や神経にも負担がかかることから、感染症が起こる可能性が非常に高いのが特徴。
  • イリザロフ法という手術は、日本でも受けることは可能だが、取り扱っている病院はとても少なく、中でも病気や事故の治療ではなく身長を伸ばしたいというための手術をしてくれる病院は限られる。

 

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