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子供には出来る限りすくすくと成長してもらいたい、と思うのは親なら誰もが思う願いです。勉強や運動に万能になってくれるのは嬉しいことですが、何よりも親が気にしているのはやはりその健康状態。
十分に体力がある強い体や、成長期にすらっと背が伸び、しっかりとした体つきになってくると、子供の成長を実感します。
10代を中心とした成長期の子供には色々な栄養がバランス良く必要ですが、身長を伸ばし、臓器を含めてがっしりとした体を作るために成長期の子供に欠かせない栄養素のひとつがカルシウムです。
カルシウムは子供のころにこそたくさん摂取すべき栄養分で、できることなら高校生になるまでの間にきちんと摂取したい成分だとされていますが、なぜその時期までに摂取することが大切なのでしょうか?
カルシウムの働きなどに注目して、その理由をまとめてみました。
この記事の目次♪
成長期におけるカルシウムの役割
そもそも、なぜ成長期にカルシウムが必要なのか、そのはたらき自体をしっかり理解しましょう。昔から、背を伸ばすにはカルシウムを豊富に摂取することが必要だと考えられていますが、実はそれは少し違っています。意外に感じる人も多いのかもしれませんが、カルシウムそのものに骨を伸ばす効果はありません。
カルシウムは人間の体内に一番多いミネラルで、そのほとんどが骨や歯を形成するための材料として使われています。カルシウムを豊富に摂取することで、がっしりとした丈夫な骨が作られます。
しかし、反対にカルシウムが不足してしまうと、体は体内でのカルシウムの量を補うために、骨や歯にためていたカルシウムを体内に放出してしまいます。こうなってしまうと、骨は脆くなってしまい、骨折しやすくなったり、のちに骨粗鬆症などを引き起こす原因となります。

背が伸びる過程では、筋肉や細胞などと一緒に当然骨も伸びていきます。そのときにカルシウムが不足していると、骨は十分に成長することができません。
従って、カルシウム不足が身長が伸びることを妨げてしまう可能性はありますが、豊富にとったからといって背が伸びるわけではないのです。
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成長期には体の基盤が作られる
小さいうちに子供の歯から永久歯に生え変わったり、身長が伸びるのが10代の内だけであったりするように、成長期に起こる体の変化というのは、いわば大人になってからの体つきの基盤となる大切な時期です。骨や内臓、脳、細胞といった要素は必要な栄養を補給したからといって今日の明日に効果がでるものではありません。
逆に、たとえば無理なダイエットをしたことが、何十年もたってから骨粗鬆症などの症状としてあらわれてくるのもこのためです。
人間の骨というのは年齢とともに変化し、18歳頃に骨量のピークを迎えるといわれています。そして、肉体の衰え同様に、25歳ぐらいから減少してしまうことがほとんどです。こうなってしまうと、生成よりも減少の力が強くなってしまうため、どれだけ強化しようとしてもなかなか効果が出るものではありません。
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だからこそ、骨量がピークを迎えるまでの間にどれだけしっかりとした骨を作ることができるのか、というのが一生のうちで骨にとってはとても大切な要素といえるのです。
これが、高校生までの間にカルシウム不足にならないように効果的にカルシウムを摂取することが勧められている理由です。
実際にどれぐらいのカルシウムを摂取すればいいの?
では、十分な量のカルシウムといっても、どのぐらいの量のカルシウムを摂取すれば良いのでしょうか?
カルシウムの摂取基準量というのは、きちんと厚生労働省から発表されています。
【カルシウム摂取基準量】
年齢 | 男子 | 女子 |
10歳から11歳 | 800mg | 800gm |
12歳から14歳 | 900mg | 750gm |
15歳から17歳 | 850mg | 650mg |
これに対して、牛乳200mlあたりに含まれているカルシウムの量は約220mg。
つまり、12歳から14歳の男の子が十分な量のカルシウムを牛乳だけで補おうとした場合には、毎日コップ約4?5杯の牛乳を飲まなければいけません。これはなかなか簡単な量ではありませんね!
摂取したカルシウムすべてが体に吸収されるとは限らない
成長期の子供にとって1日に必要なカルシウムの摂取量というのが結構な量になることはおわかりいただけたのではないでしょうか。しかし、ここにはさらに注意が必要です。カルシウムに限らず、食事や飲み物で摂取した栄養分というのはその全てが体内に吸収されるわけではありません。摂取の方法などによっては、一部は排泄物などと一緒に体外に排出されてしまいます。
特にカルシウムは、体に吸収されにくい栄養素のひとつです。たとえば牛乳に含まれているリンという成分は、摂取しすぎるとカルシウムと結合してそのまま体外に排出されてしまうことが知られています。
塩分に多く含まれているナトリウムや、脂肪分、動物性のタンパク質をはじめとして、ほうれん草やチョコレートに含まれているシュウ酸、穀類や豆類などに含まれているフィチン酸など、カルシウムの吸収率を低下させる栄養素は色々あります。
反対に、カルシウムの吸収率を上げてくれる成分が、マグネシウムとビタミンDです。
体内で300種類以上の酵素のはたらきをサポートしているマグネシウムは、カルシウムの吸収率UPにも一役買っています。大豆製品や海藻、木の実などに豊富に含まれているので、納豆やのり、わかめやナッツなどを積極的に摂取することがオススメです。
ビタミンDは魚に豊富に含まれているので、鮭やアジなどを食べることで効果的に補えます。それだけではなく、ビタミンDは日光にあたることで体内でも生成される成分です。お天気の良い日には、きちんと屋外で遊ばせることも、子供の体を丈夫にする大切な習慣のひとつといえそうです。
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カルシウムをより効率的に摂取するためには、牛乳やヨーグルトなどのひとつの食品に頼るのではなく、色々な食品から他の栄養素とともにバランスよく取り入れることもポイントのひとつです。
アジフライにチーズと海苔をプラスするとカルシウムが効果的にとれるので試してみてくださいね。
カルシウムを摂り過ぎても大丈夫?
それでは反対に、カルシウムを摂り過ぎて何か体に影響はないのでしょうか。
カルシウムの過剰摂取にはそれなりに悪い影響もあるので、厚生労働省の基準によると18歳以上の人の1日のカルシウム摂取上限量は2300mgとされています。
カルシウムを極端に過剰に摂取すると、下痢や脱水、頭痛などの症状を引き起こすとされていて、ひどい場合には高血圧や動脈硬化、腎臓障害などを引き起こす可能性もあると言われています。しかし、カルシウムを2300mgも摂取するためには、牛乳であれば2リットル以上飲まなければならず、さらには先に説明した通り、通常はそのカルシウムすべてが体内に吸収されるということはありえません。
カルシウムの過剰摂取を引き起こすには、必然的にビタミンDも過剰摂取しているということになり、これは通常の食事の中ではほぼありえない状況です。
しかしサプリメントなどで極端にカルシウムを多く摂取している場合にカルシウムの摂取過多を引き起こすことがあるため、サプリメントや栄養補助食品を利用する際にはきちんと容量を守り、処方箋薬との飲み合わせに関しては必ず医師に確認するようにしてください。
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