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トレーニングなどで身体をつくる上で、また、肉体の疲労回復などで「アミノ酸」や「アミノ酸系」「アミノ?」といった言葉や文字をよく見かけます。これらは全てアミノ酸が配合されているとうたったものです。
世界で活躍するアスリートから、街場のジムで身体を動かす人たちまで、幅広くアスリートの身体をサポートしてくれているアミノ酸。そんなアミノ酸をスポーツをする子どもたち、ジュニアアスリートたちにも活用できれば、スポーツパフォーマンスの向上につながることが期待できます。
いったいアミノ酸とはどういった栄養成分で、どういった働きをしてくれるのでしょう。そのような話を交えながら、ジュニアアスリートや子どものスポーツパフォーマンス向上という点から、アミノ酸の秘密を探ってみたいと思います。
この記事の目次♪
アミノ酸って?
ひとの身体の60%は水分からつくられているということは、皆さんも聞いたことがあると思います。その他40%のうち、20%はタンパク質でできています。
タンパク質はアミノ酸がつながったもの
ですからタンパク質も人間の身体には欠かせないものですが、そのタンパク質はアミノ酸がつながったものでできています。タンパク質の種類はその数およそ10万種類と言われていますが、その10万種類のタンパク質も、すべて20種類のアミノ酸でできています。

タンパク質をつくる最も小さいものがアミノ酸。アミノ酸が2コから数10コつながったものをペプチドといいます。そして、数100コ以上つながったものがタンパク質です。そういうわけで人間の身体にはタンパク質が欠かせないのと同様に、人間の身体にはアミノ酸が欠かせないということになるのです。
身体をつくるアミノ酸の役割
このように人間の身体をつくるアミノ酸ですが、具体的にどのように人間の身体をつくっているのでしょうか。成長期の子どもやジュニアアスリートが身体をつくる、要するに筋肉、骨、皮膚、内臓をつくっていく上で、必ず必要となるのがタンパク質、つまりアミノ酸の集まりです。
そのことは今までの話で何となく分かったかと思いますが「身体をつくる」というだけでは、スポーツパフォーマンスといった核心部分から少し遠いようです。アミノ酸の役割はそれだけではありません。
アミノ酸のほかの役割
アミノ酸は子どもから大人まで、あらゆる人の体内のあらゆる場面で活躍してくれています。身体の組織をつくるばかりか、日常の不調にも密接に関わっています。風邪予防、肌の保湿、二日酔いなどなど、その働きはさまざまです。
体調を整える
アミノ酸によって作られるタンパク質は、筋肉や骨、皮膚、内臓だけでなく血液をつくる素にもなります。血液は酸素やさまざまな栄養素を、身体の隅々まで運ぶというとても重要な役割があります。身体のほとんどの組織は酸素を必要とするので、これも大切な働きです。
また、抗体や酵素、ホルモンをつくる働きもあり、風邪の予防や皮膚の再生など、体調を整える役割があります。
運動時のエネルギーをつくる
わたしたち人間は運動をするときに糖質をエネルギーにしますが、運動によって体内の糖がなくなると、今度はタンパク質でできた筋肉を分解してアミノ酸にし、そのアミノ酸からグルコースというエネルギーをつくりだします。これを糖新生といいます。
このように、アミノ酸は人間の身体の中で、ありとあらゆる働きをしてくれる栄養素なのです。
では、20種類あるアミノ酸のうち、スポーツパフォーマンスを向上させるには、いったいどのようなアミノ酸を活用したらいいのでしょうか?
BCAAとアルギニンというアミノ酸
このようにアミノ酸の働きはさまざまですが、スポーツパフォーマンスの向上に欠かせないのはBCAAとアルギニンという2つの種類のアミノ酸です。
BCAAとは?
BCAAとは「Branched Chain Amino Acids」の頭文字をとったものです。日本語にすると「分岐鎖アミノ酸」。

必須アミノ酸である「バリン・ロイシン・イソロイシン」のことを呼びます。トレーニングをしている人でしたら、サプリメントや機能性飲料でも目にしたことがあると思います。
BCAAのはたらき・筋肉をつくる
人間の筋肉のタンパク質・筋タンパク質に含まれる必須アミノ酸のうち、その35%がBCAAです。ですから、これから筋肉をつけようというジュニアアスリートにとって、BCAAは率先して摂りたいアミノ酸のひとつです。
BCAAのはたらき・エネルギー源
先ほど、体内の糖が不足するとエネルギー源を確保するため、筋肉を分解してアミノ酸からエネルギー源をつくるという糖新生の話をしましたが、筋肉を分解するということは、糖が不足している状態で激しい運動を続けると、筋肉を消耗させてしまうということです。
そうなると、これから運動をして筋肉をつけようというジュニアアスリートには、激しい運動はかえって逆効果となりますが、運動前にBCAAを摂れば、BCAAがエネルギー源となり筋肉の分解を防いでくれます。
また、BCAAは吸収がよく、30分で体内に吸収されるため、運動前に栄養補給するには最も適したアミノ酸ともいえます。BCAAを摂ることにより効率よく筋肉をつけ、また保ちながらトレーニングすることができるかもしれません。
アルギニンとは?
ジュニアアスリートにとって、他のアミノ酸や栄養素と合わせてとりたいのが、アルギニンというアミノ酸です。アルギニンというと、ジュニアアスリートばかりでなく、疲労回復系のドリンクやサプリメントでも、わたしたちにも馴染みのあるアミノ酸だと思います。
人間はタンパク質を摂ると分解して、再びアミノ酸からタンパク質を摂ることになりますが、そのタンパク質を分解する過程で老廃物として、アンモニアが発生します。
このアンモニアはエネルギーを生産したり、疲労回復に悪影響があるとされています。アンモニアは肝臓によって、無害化、無毒、無臭化されますが、その働きを助けるのがアルギニンといわれています。
成人前の成長期の子どもは体内でアルギニンの生成が難しく、充分でないとされていますので、特に練習の疲労回復をし、本番にむけてスポーツパフォーマンスの向上を目指すジュニアアスリートにとっては、しっかりと摂っておきたいアミノ酸です。
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アミノ酸はサプリメントなどでしっかりと
このようなアミノ酸を栄養管理の知識がなく食事だけで摂るのは、なかなか大変なこと。スポーツをしているお子さんのために食生活でも、栄養管理のサポートをしてあげたくても、何かと忙しい毎日のこと、思うように時間を割けないかもしれません。
まして食事で効率よくタンパク質を取り、アミノ酸を摂るとなると、お子さんにとってはかなりの量を食べることになり、食べ過ぎは体重の増加にもつながり、スポーツパフォーマンスの向上にはかえって逆効果となります。
食事はバランス良く、タンパク質やカルシウム、ミネラルに気をつけながらも、スポーツサプリメントやBCAAが配合されたドリンクなどで、必要なアミノ酸を補うのもいいかもしれません。
ジュニアアスリートに向けたサプリメントやスポーツドリンク、良質のタンパク質であるジュニア・プロテインなども検討してみてはいかがでしょうか?
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